古い建物や街並みをめぐる紀行・地方電化私鉄以外の駅関係の写真については兄弟ブログ(「古い建物と街並みをもとめて」・アドレスは右側の兄弟ブログらんの「古い建物と街並みをもとめて」をクリックしてください)にアップすることにしました。  こちらも是非ご覧下さい(但し、こちらのブログは駅の写真以外は鉄分ほとんどありません。悪しからず)。

2023年12月25日月曜日

32年目のポルトガル その6・リスボンのトラムミュージアムの展示車両

前回のトラムミュージアム訪問話の続きです。

リスボンのトラムミュージアムの展示車両をご紹介します。前回書きましたように、庫内の収蔵車両はお見事の一言で、創業時から今も現役レベルまで各種取り揃え。ため息が出てしまいます。収蔵車両は動態のものと、静態のものがあり、どれも美しく整備されており、自由に四方から眺めることができる素晴らしいものでした。

開館してからすぐだったこともあったために、お客さんは我々以外は一人だけでゆったりと見れました。我々以外のもう一人のお客さんが女性であったこともちょっと意外でした。


第二部エントランスを入ると馬車鉄道時代の車両がお出迎え。


これまた凄いオープントラム。
写真では見たことあっても、本物見るのは初めてです。


こちらは今も現役の電車に近い車両ながら、オリジナルの姿で展示されています。


前回訪問ではバンバン走っていたボギー車もきれいな姿でお休みしていました。
こちらは静態保存のようです。

こちらが1991年訪問時の姿です。


静態保存の電車たち。
左から二番目だけ異色です。


Carrisは市内交通全般を運営する会社なので、バスも保存されています。
ロンドンバスそっくりです。


様々な機械類もゆったりと展示されていました。


ゆったり見学して庫外に出て送迎電車を待ちます。
やって来た電車はポールを回してスタンバイ中。
件の女性も乗車して、出発。


走り去る工場内の風景をパチパチといっぱい撮りました。
良き雰囲気です。


送迎電車は行きとは違うエントランスに近い場所で停車。
ここも良い雰囲気でした。


見学後は物欲コーナーへ。


購入したのはコンパクトなものが中心。

欲しいものいっぱいでしたが、持って帰れそうにないので後ろ髪をひかれつつもほどほどにしておきました。

続きます。

2023年12月19日火曜日

32年目のポルトガル その5・リスボンのトラムミュージアムへ。

 リスボン再訪の翌日は前回は見に行かなかった(前回は存在を知らなかった)トラムミュージアムを見に行くことにしました。トラムミュージアムは正式にはカリスミュージアムと言い、現在リスボン市内交通を一元運営しているカリスが運営するミュージアムですので、トラム以外のバスなども収蔵しています。

Museu da Carris

トラムミュージアムはリスボンのちょっと郊外にあります。そこへと向かう系統は基本的に新型の連接車が走っていますが、途中から分岐する系統には2軸の古いタイプのトラムが運用されています。これは線路状態から連接車では走れない区間があり、その系統についてはレトロな2軸車を使わざるを得ないからのようです。

Cais Sodre

まずは、懐かしの2軸トラムに乗車します。この電車は製造時期は古いのですが、狭隘な区間を新車に置き換えできない事情から、上回りをそのままに下廻りをジーメンスのハイテクメカに置き換えた車両で、古典的な見かけによらず高性能です。

集電装置はシングルアームパンタとポールの二刀流ですが、これも同様にポールでないと架線に追従できないようなシビアな区間があるためです。この区間ではシングルアームパンタで走ります。

車内は昔のまま

国鉄線CPの郊外電車と並走する区間では、古風なハイテク電車が何と郊外電車を追い越す始末。そのうえ、こちらがハイテクメカ車両なのにCPお電車はステンレス車体ながらもなんと吊り掛け駆動というのも笑えます。

郊外電車を追い抜くトラム

途中の乗り換え駅でしばしやってくるトラムを撮影します。今風の連接車と戦前からのトラムが同じ線路を走ってくるというのも面白いです。

Calvario


撮影後はトラムミュージアムへ。

ミュージアム エントランス

サウジサウダージの国らしく、ミュージアムはお昼時間帯は閉館。午前か午後が営業時間です。

屋内展示エリア

ここのミュージアムの面白いことは一般的な屋内のミュージアム展示エリアと保存車両展示エリアが同じ敷地内ながら別の場所で、その間を動態保存のトラムで乗車体験ができることです。

この電車がご案内

こちらはさすがにハイテクではなく、ちゃんとローテク電車です。工場内をぐるっと回って到着したのはこちら。古めかしい車庫と味わい深いトラバーサがお出迎えです。


送迎車両の終着部はこんな感じです。


トラバーサーもなかなかのものです。

庫内の収蔵車両はお見事の一言で、創業時から今も現役レベルまで各種取り揃え。ため息が出てしまいます。収蔵車両は動態のものと、静態のものがあり、どれも美しく整備されており、自由に四方から眺めることができる素晴らしいものでした。

その様子の紹介は次回にします。


2023年12月14日木曜日

32年目のポルトガル その4・リスボン再訪

スイスを3日間楽しんだ後は、いよいよ今回のメインディッシュであるポルトガル・リスボンに向かいました。

リスボンは1991年の夏の訪問以来32年ぶり二回目の訪問です。

1991年の訪問

この1991年の訪問記はこちら→https://tsurikakedensha.blogspot.com/2012/08/blog-post_6.html

リスボンのトラムは前回の訪問の1991年当時でも全盛期ほどでは無いにしろかなりの路線を擁し、すべてクラシックなポール電車で運転されていました。

今回の訪問に当たって調べてみますと今は6系統ぐらいの運転に縮小され、電車も平坦線では今風の連接電車が導入されたりで、かなり様子が変わっているようです。それでも狭い路地を走る28系統を中心にした路線は相変わらず良い雰囲気を残しているようです。レトロなトラムと街並みの再会が楽しみです。

リスボン空港

LCCみたいなスイスエアーで約三時間でリスボンに到着。これは所要時間以上にかなり退屈な飛行機でした。


以前はバスしかなかったリスボンの空港から市内へのアクセスも地下鉄ができてずいぶん便利になりました。切符も24時間券から1日単位で追加できるものがあり便利なのですが、この買い方がわからない。。。

結局は窓口で3日券を購入して地下鉄で市内へと向かいます。地下鉄は無駄に大きい開口とその割に不便な動線という不思議なものでした。車内の様子もあとでわかりましたが、街の雰囲気よりもちょっと治安的に芳しくない印象でした。

ホテルの部屋からの眺め

到着したホテルは目の前が25系統のジャンクションになっていて、日夜トラム見放題!という嬉しい立地のはずでしたが、待てど暮らせどトラムはやってきません。

これは路線が廃止になってしまったのか、何かしらの工事で運休中なのかわかりませんでしたが、ちょっとこれはがっくりでした。それ以外でも市内の海べりを左右に走る系統もどうもツアー電車以外走っていないようで、中心部からは観光資源でもある28系統を除きほぼ撤退という印象で、最近の系統図が示す路線でさえすべてが走っているという状態ではなくなっているようでした。

過去と現在の路線~ウイキペディアから

これは海外のサイトにあった路線図で、全盛期と現在の路線がわかります。赤線が現在走っているとされる路線ですが、上記のようにそのような路線も必ずしも動いていませんでした。


電車の系統にはEがついているようなのですが、同じEがついたバスも結構走っており、すでにカリス(=リスボン市交通局のような市内交通一元事業者)は完全にバス中心の政策に転換してしまっているようです。

宿泊したホテルは海に近い場所でしたが、そこから坂をちょっと上ると28系統のトラムは元気に走っていました。


ちょうどその場所にはガントレットが存在しています。




何しろ狭い路地が多いリスボンですから、線路を敷くのも容易ではありません。狭い区間は上下線が別の通りを走るのですが、曲がることさえ容易ではありません。

そこで登場するのが、このガントレットです。電車は路地を曲がるために反対側の線路に食い込みながら曲がってゆきます。

そのうえ、勾配も半端ありません。ここにいるだけでも時間を忘れてしまいそうでした。


急曲線に急カーブ。

よくぞこんなところを!と思う場所を結構軽快に走ってゆきます。


リスボンのトラム旅は始まったばかりです。

続きます。







2023年12月11日月曜日

32年目のポルトガル その3・次はチューリッヒのトラムを楽しむ。

 世界遺産の鉄道風景をつまみ食いした後は、再びチューリッヒへ戻ります。二泊レーテッシュ沿線でしても良かったのですが、飛行機に乗る日に万が一のトラブルは過去の苦い経験から避けることとし、何かあっても飛行場に行ける場所ということで、一昨日宿泊したチューリッヒ駅前のホテルに舞い戻りました。

Central

ホテルの部屋の窓からはトラムも眺められて、楽しいです。

bahnhof 通り

残った時間は四方八方に発達したチューリッヒのトラムを一日券で楽しむこととしました。

海外の一日券は大半の日本の一日券と異なり、24時間券なので、開始時間を考えて購入すれば都合二日間楽しむことができます。


チューリッヒのトラムはとにかく路線と運行本数のどちらもが高密度で、ジャンクションが多く、様々な方向からトラムがやってくるトラム天国です。下がその路線図です。

路線図 現地サイトから

そのうえ、ターミナルではトラム見ながら朝食もとれたりします。

Bellevue

Paradeplatz


トラムはあちこちにジャンクションがあり、ターミナル的な機能をしていますが、中心部に大きなジャンクションが3つほどあり、そこを中心に見てきました。ジャンクションの線路配置も日本では考えられないほど柔軟な線路配置で、その線路を見るだけでも十分に楽しめます。

こちらは宿泊先のホテル前のセントラルというターミナル。

Central


ターミナルの脇からはケーブルカーも出ています。

続いて、こちらはシティのParadeplatzというところにあるターミナル。

Paradeplatz


ターミナルの前後は鬼線路状態です。

こちらはベルビューというところにあるターミナル。

Bellevue

ターミナルにある上屋は年代物ながら秀逸なデザイン。
中央には売店とイートインスペースがあります。


このターミナルのすぐ近くにはもう一つジャンクションがあり、そこからは郊外電車も出ていました。

Stadelhofen

この郊外電車はトラムに似たデザインながら、長編成で路面区間をトラムと共用しながら郊外へと向かいます。


びっくりするほどのカーブをぐんぐん曲がってゆきます。

最後にこちらはケーブルカー。Polybahnといいます。

Central

ホテル脇のビルの中に駅があります。
宿泊したホテルの建物に組み込まれたような形のターミナルから出発します。
開業時から所有者が何回か変わっていますが、今は銀行が所有・運営しています。


このような感じで、麓の駅はビルにまるごと突っ込んでいます。


途中で交換します。

それほど古くない車両のようですが(20年ぐらい前に更新されたらしいです)、良い感じです。


途中で交換して上部の駅へ。


こちらの駅がまた渋い。

そんなこんなで色々楽しめたチューリッヒのトラムですが、そろそろ時間切れです。

Flughafen Zürich

翌日はいよいよリスボンに向かいます。

続きます。